コレステロールの嘘

【コレステロールの嘘】スタチン効果の嘘!(その1) ー相対的リスク減少"RRR"を使う欺瞞ー

2016年5月1日

疑惑の男性

コレステロール低下薬であるスタチン系薬剤を飲まれている方はかなりおおいこの記事ではStatin Nationという海外のサイトより「スタチン効果の嘘」を3回に分けて説明します。
コレステロール低下薬のひとつであるスタチンを処方されている人は是非ご覧ください。

相対的リスク減少"RRR"を使う欺瞞

How statistical deception created the appearance that statins are safe and effective in primary and secondary prevention of cardiovascular disease
Expert Rev. Clin. Pharmacol. Early online, 1–10 (2015)

脂質栄養学会のWEBサイトで紹介されていた文献を読んでみましたので、稚拙ながら概略を呈示します。

多くの矛盾した調査結果にもかかわらず、信奉者らはスタチンを心血管イベントを防ぐベストの「保険」だけでなく、最も強力な発明で奇跡の薬だとしてスタチンを賞賛しています。彼らはコレステロール値を低下させることの利益と安全性については何の疑いないと断言しています。

How statistical deception created the appearance of statins as ‘miracle drugs'.
いかにしてスタチンを「奇跡の薬」として見せかけるように「統計学的ごまかし」がおこなわれてきたのか?

それは、絶対的リスク減少absolute risk reduction(ARR)ではなく
相対的リスク減少 relative risk reduction(RRR)を使うことです!

100人の被験者でスタチングループでは1人が心筋梗塞を発症したとします。プラセボグループでは2人が心筋梗塞を発症したとしたら、1人/2人で50%の相対的リスク減少があったとするわけです。

しかし、実際は100人のうちスタチン内服によって利益を得たのは1人なので絶対的リスク減少は1%ポイントでしかないということになります。

100人スタチンを飲んで利益があったのはたったの1人でも、相対的リスク減少はなんと50%となってしまう理屈です。

スタチンが有用とされてきたトライアル

以下は現在までにスタチンが有用とされてきたトライアルの欺瞞について説明してます。

Jupiter試験

Ridker PM, Danielson E, Fonseca FA, et al. Rosuvastatin to prevent vascular events inmen and women with elevated C-reactive 30. protein. N Engl J Med 2008;359:2195-207

クレストールとプラセボで心血管イベント発生を比較してます。
1.9年のフォローアップ中央値で中止されました。
プラセボで2.8%、クレストールで1.6%のイベント発生率でした。
致死的心臓発作は絶対危険率ARRは0.41%
メディアは50%以上が心臓発作を避けることができたと主張しましたが・・・
実際はクレストールを内服した人の0.41%がクレストールで利益を得たというの実際のところです
しかも、死亡数はクレストールの方が多いのです。クレストール群では11人死亡したのに対して、プラセボ群では6人でした。
しかもクレストール群では経過中にDMの発症率が有意に高かったとのことです。

ASCOT-LLA 試験

Dahlof B, Poulter NR, et al. Prevention of coronary and stroke eventswith atorvastatin in hypertensive patientswho have average or lower-than-average 31. cholesterol concentrations, in the Anglo-Scandinavian Cardiac Outcomes Trial–Lipid Lowering Arm (ASCOT-LLA):a multicentre randomised controlled trial. Lancet 2003;361:1149-58

アトルバスタチン内服群とプラセボ群で比較した試験ですが3.3年で中止されてます。

その理由はアトルバスタチン群で致死的・非致死的心筋梗塞を36%減少させたためとのことです。

しかし絶対的ARRは1.1%でしかありません。

女性においては心血管疾患の致死的イベントにも非致死的イベントにも影響はありませんでした。

これを広告で宣伝するとこんな感じになるのです。

リピトールを内服すると36%の人で効果があるように錯覚しますが、実際は1.1%ポイントでしかないのです。

The British Heart Protection Study

Yusuf S. Two decades of progress in preventing vascular disease. Lancet 2002;360:2-3

シンバスタチンとプラセボで比較した試験ですが、シンバスタチンでは781例(7.6%) に対してプラセボでは937例(9.1%)が心血管疾患で死亡してます。ARR(Absolute Risk Reduction)は1.5%でしかありません。
ところが!! シンバスタチン群の26%は最初の1ヶ月のラインイン期間で不適格とされて除外されています(理由は不明)。おそらく副作用によるものと思われます。そのためこのような試験ではスタチンの副作用の頻度は求めることができない!と著者は憤慨してます。

また、スタチンの有益性は相対的危険率RRRで表すのに対して、スタチンの副作用はだいたい絶対危険率ARRで表現していることに著者は怒っています!!

終わりに

いかがでしょうか?

スタチンを売るために絶対的危険率ではなく相対的危険率で宣伝がされているのがわかると思います。

その2ではスタチンの副作用について記載します。

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