☆☆☆☆ヒトはおかしな肉食動物:高橋迪雄 著

16 7月
71nej+4nt7L._SL1500_獣医学者?からの視点でヒトを動物と比較している。なかなか新鮮だった。猿はもともとハーレムを形成していたが、ヒトは一夫一婦制であるのはなぜかというのは興味深い。ヒトの雌は黄体期もエストロゲンを分泌するため発情期が持続している。恋愛とは一夫一婦制を構成する要素か?
哺乳類はもともと肉食動物でその後、草食動物が進化した。牛は胃がたくさんあってバクテリアを飼っている。バクテリアを効率よく利用している。一方、盲腸でバクテリアと共生している動物(馬、ウサギなど)はバクテリアを完全に利用できていない。そのため糞食などを行っている。
以下の引用にもありますが、草食動物と肉食動物の違いは消化管の解剖学的構造の差にあります。セルロースを分解する菌を蓄えることのできる解剖学的構造です。それは牛では反芻胃であり、馬やウサギでは巨大な盲腸と言うことになります。人間にはそれがないので「肉食動物」なのです。雑食などという分類はないです。草食か肉食かどちらかです。
現存している動物の中でヒトに最も近縁な動物はチンパンジーです。ヒト(の先祖)とチンパンジー(の先祖)が分かれて別々の進化の途をたどり始めた時が、取りも直さず「ヒトの誕生」を意味しています。このような考えに基づけば、ヒトには四〇〇万年とも六〇〇万年ともいわれるとても長い歴史があります。
長い生命進化の歴史の中で、肉食動物に後れてやがて草食動物が出現してくるのは、食物獲得の労力と偶然性が大幅に軽減されるからなのでしょう。
草食動物を一言で定義すれば、消化管内にバクテリアを〈飼っている〉動物と言うことができます。
ウシのように反芻胃で活発にバクテリアが増殖している場合は、いずれそのバクテリアは第四胃から小腸へと流れ込んできます。だから、ウシはそれらの菌体を消化・吸収することで、肉食動物以上にタンパク質栄養に富んだ食物を得ていることになります。
ヒトにはこのような枠組みは完全に欠落しています。草食動物の消化管はどこかに大きな変形があり、そこをバクテリアの発酵タンクとしています。しかし、ヒトにはそのような消化管の変形は認められず、発酵タンクとして老舗の盲腸もほとんど退化して、「虫垂」などと情けない名前がつけられています。

したがって、ネズミをはじめとする穀物をよく食べる齧歯類では、「過食と余剰エネルギー放散」の枠組み(パラダイム)がウマ以上に必要になります。実験室のラットでも、回転カゴを飼育箱に入れてやりますと、しばらくすると一日に六~一〇kmも走るようになります

「ヒトは肉食動物」と言っているのは、ヒトが実際に何を食べているかの詮索ではなく、「ヒトの体の生理・解剖機能に基づけば、本来は肉食動物なのであろう」という意味です。

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