はだかの起原 ー不適者は生きのびるー:島泰三 著

20 8月


「親指はなぜ太いのか?」「ヒトー異端のサルの一億年」の著者である島泰三氏の著作 自分では3冊目である。これも非常に興味深く読まさせていただきました。
目次
1. ヒトの裸の皮膚は自然淘汰で生じたはずはない
2. ダーウィンは変だ
3. ダーウィンは裸の起原を解明できない
4. 裸の獣
5. 特別な裸の獣たち
6. 裸体化仮説
7. 人類海中起源説
8. 突然変異による裸の出現と不適者の生存
9. 火と家と着物と
10. ネアンデルタールの家
11. 裸の人類はどこで、いつ出現したのか?
12. 重複する不適形質を逆転する鍵は?


よく以前は猿人から現代人へ進化する図が掲載されてますが、猿人は毛が沢山生えてますけど、進化するにつれて毛がだんだんと少なくなって最終的には現代人のように裸に至る図です。これなぞ典型的なのですが、われわれ現代人がダーウィンのいう「適者生存」で繁栄しているから裸であること、毛皮を持たないことが進化の望ましい結果であるという考え方です。
しかしながら著者の島泰三氏はこれを否定します。裸であることは動物が生存するにはまったく不適であると。毛皮というものは哺乳類にとって生活するのにはとても重要である!と。毛皮があると暴風雨の日でも子サルなどはまったく気にすることなく遊んでいるらしいです。これはマダガスカル島などで、ずっとサルの生態を観察してきた著者ならではの説得力のある説です。
人類はいつ?裸になったのか? 答えはずばりホモサピエンスからだと島泰三氏は述べます。ネアンデルタール人は家を持たなかった。毛皮があったため持つ必要がなかった。ホモサピエンスは20万年ほど前に突然裸のサルとして出現したが、同時にその他の突然変異も起こったため(声を発することができるようになったなど)裸であることの不利を埋め合わせて生きのびることができたというわけです。
また、ホモサピエンスが20数万年前にアフリカで出現してから、しばらくの間はネアンデルタール人とそう変わらない生活をしていたが、5万年ほど前からオーリニャック文化(後期旧石器文化)が出現し現代人となると言われていました。これも著者は否定します。突然目が醒めたようにホモサピエンスが変わったというのは間違いで、最近の研究では20数年前にホモサピエンスが出現したときから、ネアンデルタール人とは違った文化の痕跡が発見されているとのことです。

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